「吸血鬼は泉のごとく」(89年刊)を読んでみた(読み返してみた)

 この巻から巻頭にカラーページが付帯。最近のコバルト文庫にはついてないよねえ。こういうのもバブルの影響だったのかね。

吸血鬼は泉のごとく (コバルト文庫)

吸血鬼は泉のごとく (コバルト文庫)

 この頃からみどりの非常識な食い意地描写はなりを潜め(やっぱクレームがついたんですかね^^;)、代わりに涼子の恐妻ぶり……というかヤキモチ描写がオチとして多用され始めるのである。イラストでもなぜかおばさん風に描かれてしまうし>涼子。

  • 1話目。水の化け物を従えた男の攻撃からある一家を守る話。水の化け物というか人を引きずり込む伸縮拡大自在(?)の水たまりというか。いくら上を目指して泳いでも、水面にたどり着かないというのは怖いだろうな……。冷えきっていた一家が非常事態を奇貨に絆を取り戻すってのは王道のパターンだが、それがいいのだ。
  • 2話目。これは子供の頃に読んだ時は非常に怖かった記憶がある。不幸な経緯から納骨堂に生きながら閉じ込められてしまった女性が数十年後に蘇って、自分を裏切った男たちに復讐をはじめる話。その殺し方が……ギャー!\(AA略)/一応カタルシスもある終わり方なんだけど、彼女の復讐に巻き込まれて、一度に恋人と肉親を亡くすエリカの友人はかなり悲惨かも……。