グインサーガの105巻目を読んでみた
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 文庫
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謎の一団を指揮する銀仮面の正体は、かつてアルド・ナリスによって利用され永らく監禁されていたアストリアス子爵であった。全てを奪われたことで復讐に燃える子爵は、元凶たるナリス亡き今、アムネリスを死に追いやったイシュトヴァーンこそを怨敵と定め、その子スーティも捕えるつもりでいた。なんとか母子を助け出そうとするグインに、手を貸したのはパロを出奔し一人旅するリギアであった。
そりゃま〜アストリアスの立場からいったら何もかもが憎くてもおかしくなかろう。
永らく活躍の場を奪われ読者にも忘れ去られやっと自由の身になったと思ったら、自身を閉じ込め利用する筈だった悪役は、なぜかいつしか正義の聖王としてこの世から勝ち逃げしており、復讐を遂げる機会は永遠になくなりました……って、そりゃ酷いよ(;´Д`)。ヒドすぎる。この怨みのエネルギー、一体どこにぶつければいいの、となっちゃうわな。ミロクの村人たちへの狼藉行為は確かに無体であるが、アストリアスのこれまでの運命を思えば、イシュトみたいにいきなり小屋に押し込め焼き殺すみたいな所業には出ない分、よく我慢してる方……とすらも思うくらいですw。しかし、イシュトとっても折角モンゴールとなんとか穏便に和解しようと決めた矢先に、また厄介なナリスの負債が噴出してきたもんかなぁ〜っと。これからどうなるんでしょ、ゴーラのお国事情。
スパンの差はあれお久しぶりなキャラが再登場するときは続くもので、唐突に(本当に唐突に)リギアがグインのもとに参上!そういやナリスが亡くなって以降、気がついたらパロ編から姿を消してたんですね。いきなりグインに「お久しゅうございます!リギアです」とか声をかけてたけど、グインとリギアが会話した場面とかあのパロ内乱の状況なかであったかなぁ……まあ、ナリスの葬儀にまつわるあれやこれやのなかで面識を持っていたということらしいけど。そういえば、リギアのチャンバラシーンは100巻越えて初めて読んだ気がするのだが……。