グインサーガの84巻目を読んでみた

劫火―グイン・サーガ(84) (ハヤカワ文庫JA)

劫火―グイン・サーガ(84) (ハヤカワ文庫JA)

 グインの説得のために、再会したばかりの妻リンダとヴァレリウスがナリスのもとを離れたまさにその時、ヤンダルに操られたイシュトヴァーンが彼を生け捕りにせんとマルガを襲う。リギアとマリウスによっていち早くそれを察知したナリスであったが、もはや彼に逃げ延びる意思は無かった。ゴーラ軍によってマルガは炎に包まれ、離宮は虐殺の場と化した。 

 とにかくマリウスがモラトリアム一直線いうのはよく判った。いい奴なんだけどね。
 ケイロニアに家族と共に定住しなければならなくなったら、兄ナリスが恋しいと云い。いざその兄貴に再会する段となったら、一連の騒ぎが片付いた後に会うと残してグインのもとに向かう(グインと合流して何をするというのだろう)。何なんだこの後回しっぷりは(-_-;)!拷問や陵辱(うげっ)には屈しないくせに、なぜか自身の重要な局面からはひたすら逃げたがる。そんなに怖いか、自分の人生と向き合うのが。でも、こうしてボロクソに書いているけれども、実は内心身につまされてもいるんだよね(しかしタヴィアが居ながらの堂々の浮気、あれは許せん!)。
 リンダとナリスがすぐに再会しなかった理由。リンダに魔王の細工が施されておるかどうか判らないから……って、何を今更ながら!?そういう場合の為に、ヴァレリウスはイェライシャから「魔の胞子」の対処方法を習ったわけじゃなかったのかね。でもヤンダルの方が魔力が強いから巧妙に胞子を仕込まれたら検出できるかどうか判らないって……それじゃ意味ないじゃん(汗)!!!リンダは永くクリスタルパレスに閉じ込められていたわけだし……とはヴァレの言だが、ヤンダルはパレスから動けないわけじゃなく「魔の胞子」はパレス下での専売特許と決まっているわけでもないとも考えるともはやキリがない。この後に及んで何を云ってるのだと思ったのは私だけ!?そうこう見当違いの方向に逡巡している間に、思ってもみない形で大ピンチが襲いかかってくるし。まったく……。スカール曰く「必要の有無に拘らず、力の無いものが反乱を起こすのは間違い」その通りかもね。
 魔王の傀儡と化したイシュトヴァーン。最強、いや最恐のタッグでんがな。史上最悪の大暴れっぷりをするのは火を見るより明らか。グインは間に合うのか?ヨナはイシュトと再会するとき何を思うのか?リンダとイシュトの再会は?そして、ナリスの安否は?これまでの作者あとがきでも何度か「絶好のヒキですみません!」と、どや顔ならぬどや文がが載せられていたがw、この巻は本当に物凄いヒキだと思う。ので、早く次巻読もーーーっと♪♪♪
 読み方、意味を調べた漢字。透徹、とうてつ。澄みきっていること。