グインサーガの22巻目を読んでみた
表紙はシルヴィア(と、思う)。美しいとまでは行かない、とは本文中の評だが、十分可愛らしいよね。巻頭カラーページ含めて。
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1985/09/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
父王の真心、そして異母妹シルヴィアの孤独を知ったイリス兼オクタヴィアは、彼らに対する復讐の念が急速に薄れて行くのを感じていた。陰謀発覚の混乱により、シルヴィアの婿選定は先延ばしになったものの、彼女が祝宴の席で誰と踊るのかは依然注目の的であった。シルヴィアの手をとったのはグイン。二人の間に、ほんのひととき、優美な時間が流れた。
「魔道師」と「魔道士」は異なるのだな。ふむふむ。パロのヴァレリウスとケイロニアのグインが思いがけず交流を持ち、グインが双子の近況を聞く場面がありますが(一応、気にはかけてくれてるんだナ)、グインサイドと双子&ナリスサイドの話がいつ交差するのかも気になるところです。あ、イシュトは神出鬼没だからいつ出てきても驚かん(爆)。
グインとシルヴィアのカップル、いいんでないのいいんでないの。やっぱりグインはシルヴィアのことが気に入ってたんやね〜♪堅物グインにもそういう一面はあるんやね。しかもちょっと悪食気味(正統派なお姫様と比較してちと癖のあるタイプを選んでしまう)というのが面白い。今のところ、上手く行って欲しいと思えるカップルであるが、この時点で二人の行く末を読者が知っているのは果たして幸か不幸、どちらなのでしょうか?あ、途を通り越して盲愛の域に達しているパリスは不幸だけれども。
不幸といえば、バルドゥールがこれまた豪快な(?)死に様をさらしまして。しかも作者に「北斗の拳ごっこ」などど後書きで遊ばれてるしw。しかしバルドゥールのコンプレックスは劇中の登場人物、否読者さえもがグインに対して一瞬は抱くであろう感情の肥大化したものではなかったか?なまじバルドゥールなりにそれまで努力(?)もしてきたのなら、尚更。グインに対する負の意識を自滅させる方向に持っていったのがバルドゥールならば、自身の起爆剤に転化してみせるのは、おそらく……。